目を開いていると、映る世界は色に溢れている。
しかし、目を閉じて何かを感じようとすると、そこはもう光と影の世界。
その世界に写真で挑戦し続けることこそが、わたしにとって写真やり続ける意味だ。
作品は、今は生産されていないチェコ製のコットン素材の印画紙に、
手焼きでプリントし、果実やら紅茶やらを煮詰めた液で、1点1点手で加工している。
この印画紙は、高い上に処理にやたらと時間もかかるが、コットンの独特の質感と
微妙にイエローなところ、そして温度に影響を受けて安定しないあたりがのアナログ感が
気に入り、在庫をすべてまとめ買いした。
同じプリントでも、仕上がりはそれぞれ、同じものは出来ない。
時間もコストもかかるが、素材にこだわり、手間をかけることで出てくる雰囲気と、
1点ものの価値を大切にしたい。
服は、ヴィンテージやハンドメイド、インテリアは、アンティークや天然素材、
食べ物は、オーガニックや手作り。
今の写真は、今のわたしのライフスタイルが大きく影響している。
だからと言ってデジタルが嫌いな訳じゃない。
数年前までは、カラー写真もデジタル写真も自分の中では得意としてきた。
今でも本当は得意な方かもしれない。
ホームページも素材制作から組み立てまで、全部自分でやっているし、
必要な時は、デジカメも使うし、レタッチもする。
便利だし、アナログにはできない表現をすることも可能だ。
写真技術としての将来の可能性は、圧倒的にデジタルの方にあると思う。
しかし、デジタル写真は、同じ大きさの四角いドットの集合体だ。
年々その四角いドットは小さくなってきけれども、拡大すればどこも同じ。
ボタン一つで何枚でも同じプリントが複製される。
一方アナログ処理された写真は、大小不揃いな粒によってつくられる。
人の力だけでは、完璧に制御できない、不完全なバランスと曖昧さ、
一度行程が進めば、後戻りできない緊張感の中で新たな発見や感動も生まれてくる。
近年、時間とコスト削減で大量生産された製品や食品が生活必需品となっている中で、
自然素材や人の手作業による素晴らしさ、大切さも共存している。
わたしは、写真でもそれを可能な限り取り入れていきたいと思う 。 |